落語・講談・浪曲 日本演芸なんでもござれ

自称・演芸ブロガーが語る日本演芸(落語・講談・浪曲)ブログ!

笑顔のために生きる~2020年1月24日 文菊寄席~

私の信条は 『毎日を笑って過ごす』ことだ。 公園の茶トラ猫 「おぎゃあ」と生まれてから墓地に収まるまでの間に、一体どれだけの時間を幸福に過ごすことが出来るのかと考えてみれば、自分の心次第であるという結論に達するのだが、自分の心というものは始終…

その胸の奥底から沸き上がる愛を止めるな~2020年1月22日 文菊の時間~

愛とは、ひとりの男なり女なりを大勢の中から選択して、そのほかの者を絶対に顧みないことです レフ・トルストイ ドンナニコンナニ 志賀直哉の短編に『イヅク川』という作品がある。簡単にネタバレをしてしまえば、それは「会いたい人に会いたい気持ちがあっ…

【Day 4】畔倉重四郎 連続読み~2020年1月 神田松之丞~

その時は知らなかった チバユウスケ『人殺し』 第十三話 おふみ重四郎白洲の対決 テレビ番組の取材が入っているためか、昨夜の『重四郎召し捕り』をダイジェストで熱演。その後、白洲の場へと突き出された重四郎の様子が本物の悪人を感じさせる。 特に、松之…

【Day 3】畔倉重四郎 連続読み~2020年1月 神田松之丞~

青すぎる あの牧場に行くつもりだったけれど この列車は そこまでは着かないんだって チバユウスケ『人殺し』 Hide And Seek 目の前を飛ぶ鬱陶しい蚊を手で潰すことと、日常生活で自分の邪魔ばかりしてくる人間を殺すことに差はあるのだろうか。どちらも命を…

【Day 2】畔倉重四郎 連続読み~2020年1月 神田松之丞~

明け方始発で この街を出て行くって チバユウスケ『人殺し』 サイコパス 自分の中に自分とは別の存在を作り上げる人間がいる。それはマトリョーシカのように、開けて行けば同じような形をした存在が現れ、どんどんと小さくなっていくというものではなく、む…

【Day 1】畔倉重四郎 連続読み~2020年1月 神田松之丞~

二人は恋人 名前を知らない チバユウスケ『人殺し』 夢 人を殺す夢を見たことがある。一度や二度ではない。記憶しているだけで三度ある。いずれも完全犯罪で、親しい友人、名の知れぬ人物、気に入らぬ人物、一人を殺害する。はっきりと「俺は人を殺したのだ…

君の高座は10000ボルト~2020年1月12日 梶原いろは亭 桂紋四郎 『伊勢参宮神乃賑』に挑戦~

君の高座は10000ボルト 地上に降りた最高の噺 ベーヤン 読者になら分かって頂けると思うのだが、客席にいて噺家の一言に痺れる瞬間がある。川平慈英ばりの『くうう~~』が飛び出すほど、痺れるような言葉を聞く瞬間があって、それが止められなくて落語を聞…

なぜ東京の落語ファンは上方落語が大好きなのか~2020年1月6日 桂紋四郎 上方二つ目最前線~

東も西も分け隔てなく 北も南も分け隔てなく 全ての演芸好きたちが ありとあらゆる場所にある 笑顔の集まる場所にある 素敵な芸に 出会えますように 上方落語が止まらない 2019年は初めて天満天神繁昌亭に行ったり、一心寺に行ったりと、『生の上方演芸お初…

大金の行く末~2019年1月5日 古今亭文菊独演会~

そいはするりと きみにしにのたまおうものなら 断崖絶壁から荒れ狂う波に飛び込もうというような、悲壮感の溢れる悲劇のヒロインは街のどこにもおらず、まして、そんなヒロインに「待て!飛び込んじゃ駄目だ!」なんて言葉をかける男もいなければ、つくねを…

あらたまの心の奥の輝きの~2020年1月4日 スタジオフォー 四の日寄席~

遠くにいけば、近くにあって 近くにいけば、遠くにあって 彷徨えば恋 留まれば愛 傷ついて恋 癒されて愛 芽吹くまで 年明けの忙しなさに紛れて、私は巣鴨の街を歩いた。どれほどの長さがあるのか分からないが、羽子板の絵とともに『巣鴨地蔵通商店街』と名付…

冷蔵庫から三途の川まで、或いは混沌の童心~2020年1月3日 プーク人形劇場 新作落語 お正月寄席~

ポケットのなかにはビスケットがひとつ ポケットをたたくとビスケットはふたつ まど・みちお『ふしぎなポケット』 狂気を孕む冷蔵庫 特に意味も無いのに冷蔵庫を開けてしまうことが多々ある。小腹が空いたときなど、ふとした弾みで冷蔵庫を開けてしまう。気…

ゆるりふわりとパパン・パン~2019年1月2日 お江戸日本橋亭 講談初席~

ザギンで見かけたアベックの 女はパイオツカイデーだったなリーマン今日もよそよそしい タイミング見計らってドロンあいみょん『ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌』 吾輩の辞書に『バタンキュー』という文字は無い ナウなヤングにバカウ…

渋谷のラッパーはなぜ浪曲を聴きに行くのか~2020年1月1日 浅草木馬亭 初席~

俺は浅草生まれ 浅草寺育ち 戦争行った奴らが友達 関東武士だ 韓国人じゃねぇ 神社よりもジンジャエールだぜ 唸るじいちゃん 鳴らすのはばあちゃん 聞こえて来るぜ 人生 浪花節 関東節だ くるぶしじゃねぇ 痛んでるのは体の節々 ぼちぼち木馬亭に入りな 癒さ…

いつも心に演芸を~2019年12月31日から2020年1月1日 連雀亭 年末カウントダウン興行~

宝くじは買わない だって僕は お金なんかいらないんだ 忌野清志郎『宝くじは買わない』 寅の日 2019年12月31日は寅の日である。大安吉日で寅の日ときて、『お帰り、寅さん』がやっているとなれば、見に行かない道理などどこにもない。 今年で50周年を迎えた…

実感のその先に咲く~2019年12月29日 浅草演芸ホール 円菊一門会~

大きな夢を汚す人間には近づくな。たいしたことない人間ほど人の夢にケチをつけたがるものだ。真に偉大な人間は自分にも成功できると思わせてくれる。 マーク・トウェイン 実感のマント 生まれたばかりの赤ん坊が「人生は短い。だから後悔の無いように生きな…

呼吸と鼓動~2019年12月28日 カモの観察会2019~

どこで誰とどう出会うか。 誰にもわからないままに出会った。 出会ってしまったら、もう二度と 出会う前には戻れないことの幸福。 長い年月の果てに、死の淵に立って、 思い出すのは、楽しかった思い出であれ。 良き人との時間であれ。 良き体験であれ。 目…

まっつぐだから曲がれない~2019年12月27日 鈴本演芸場 琴調六夜 千秋楽~

あたしゃ生まれた頃からまっつぐ育ち 曲がったことが大嫌い。 免許だってS字クランクが合格できなくて いつまで経っても取れやしない。 馬鹿で結構。笑いたきゃ笑いやがれ。 あたしゃ天下に恥の無い まっつぐ生まれのまっつぐ育ちよ Straight To Hell アルフ…

どうして頭のいい人は寄席に行くのか~2019年12月26日 新宿末廣亭 夜の部19時~

悩みは消えないマジックペンで 考え込んでも油性ペン 言葉が無い。言葉が無い。 怒りは煮え湯のぶくぶくで まき散らそうにも熱すぎる 言葉が無い。言葉が無い。 どうしようもない気持ちは どん詰まりの壁で 突き抜けようにもドリルが無い。 言葉が無い。言葉…

金色のTraditional Storytelling~浅草木馬亭 木馬亭講談会 12月24日~

自分は自分、相手は相手と線を引くことは健康な人間関係の基本 ど真ん中の人 誰にでも『ど真ん中の人』というのはいる。間違いなくいる。例えば、私にとってロックンロールの『ど真ん中の人』はチバユウスケさんだし、落語の『ど真ん中の人』は古今亭文菊師…

屑屋の風情~なかの芸能小劇場 古今亭文菊独演会 2019年12月22日~

どんな商売でも、一所懸命にやらなくちゃいけないよ 手を抜くことも必要だけれどもね。 ちょっとした幸運というものは、 一所懸命に頑張ってくると、ほんの僅かに 見えてくる。雲の隙間から射す 光みたいなもの 寒風にさらされながらも燃ゆる 自分には何の取…

流れる場所を求めて流れる 鈴本演芸場 夜席 2019年12月20日

世の中には『適材適所』という言葉もあれば、 『置かれた場所で咲きなさい』という言葉もある。 『全てはあるべき場所にある』という言葉もあれば、 『環境が変われば考え方が変わる』という言葉もある。 『どこへ行っても上手く行かない人』もいれば、 『ど…

疒のメロディ

All I want to do is get back to youConnection, I just can't make no connection.But all I want to do is to get back to you.Everything is going in the wrong direction.The doctor wants to give me more injections.Giving me shots for a thousand…

碁の互の誤の語の悟の児の後~2019年12月7日 古今亭文菊毎月独演会~

あなたに出会った人がみな、 最高の気分になれるように、 親切と慈しみを込めて人に接しなさい。 あなたの愛が表情や眼差し、微笑み、 言葉にあらわれるようにするのです。 マザー・テレサの言葉 いつくしみふかき 丁度、なかの芸能小劇場で行われていた、毎…

Laughy Radio Show 鯉たま~2019年12月2日 浅草演芸ホール 夜席~

I heard you on the wireless back in fifty twoLying awake intent at tuning in on youIf I was young it didn't stop you coming through The Buggles 『Video Killed The Radio Star』 Just Listen ぼくが寄席であなたの落語をきいたのは、2017年の夏の…

SAN'IN IN THE SUN~2019年11月30日 神田連雀亭 第八回山陰合同勉強会~

やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君 与謝野晶子『みだれ髪』 故郷は遠きにありて 年を重ねた男女の色気について、羨ましく思うことが多々ある。 一体どうやったら色気を身に纏い、怪しげで危うい紫色の、大人の色気を纏えるのか。藤圭…

無音の時に漂うものは~2019年11月29日 Gallery 美の舎 無音の時 西田あやめ~

一切の藝術は無窮を趁ふの姿に他ならず 藝術は感情を主とす 世界最高の情趣を 顕現するにあり 『日本美術院綱領第一項』或いは岡倉天心の言葉 プロローグ いづかたより来て鳴らされた音か。 遠くにて鳴る鈴の音を聞く。わんおんわんおんと鳴る音が耳に届き、…

You Get What You Give~2019年11月24日 すみっコぐらし~

You've got a reason to liveCan't forget we only get what we give 君には生きる理由がある忘れちゃいけないよまずは差し出さなくちゃ何も与えられない New Radicals『You Get What You Give』 君の素敵な人生のすみっこ 新宿ピカデリーで映画『すみっコぐ…

堪忍と進化~2019年11月24日 新宿末廣亭 夜の部 神田松鯉~

世の中のことはなんでも我慢できるが 幸福な日の連続だけは我慢できない。 ゲーテ『格言と反省』 モテア・マーシー きょんスズを終えて、持て余した時間をどう潰せば良いのか。人は時間を持て余すと潰したくなる生き物であるらしい。顔に出来たにきびを潰し…

人生の採点者~2019年11月24日 きょんスズ30 14時回~

起きあがって、窓からからだをのりだしてごらんよ。 いま、ほんとうに自由で、生きている時間がはじまるのだから。 夏の最初の朝だ。 Ray Bradbury『Dandelion Wine』 Pretender 気取っている人と気取らない人の違いは眉毛に出るのだそうだ。気取っている人…

転ばぬ先の杖すら捨てて~2019年11月23日 新宿末廣亭 深夜寄席~

土砂降りの雨の中 今日もトラブル抱えて走り出してゆく その男はおれだ バカにつける薬はどこにもないんだ トータス松本『あーだこーだそーだ!』 不格好の輝き 食器洗浄機の中の皿かと思うほどびしょ濡れになって、僕は新宿末廣亭までやってきた。夜の部は…