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自称・演芸ブロガーが語る日本演芸(落語・講談・浪曲)ブログ!

毎日を笑って過ごす、日々の朝に~2019年8月10日 古今亭文菊 独演会~

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お酒かい?

 

ハチゴロウってんですよ 

 

  思い立ったら

爺臭い話になるが、私は僅かな睡眠時間でも体調がすこぶる良い体質である。大体、4~5時間ほど眠ると、バッチリ快調ということが、ここ2~3年の間で確立されており、毎朝大体4時半か5時に目が覚める。絶好調の時など、0時に寝て3時半に目が覚める。それで、特に体が重いとか、気持ちが怠いということが無いから不思議だ。

思えば、良く笑った日の翌朝などは特に睡眠時間が短い。誰か詳しい研究をしていないだろうか。自分でもなぜこれほどまでに短い睡眠時間で、体調も気持ちも快いのか見当が付かない。心当たりがあると言えば、日中でも短い睡眠を何度か繰り返しているから、それがトータルとして7~8時間になるのだろうと思う。寄席にいるときなど、演者さんに申し訳ないが、眠る時はある。良く眠れるときなど1時間は寝ている。

そんなこともあって、私はどちらかと言えば朝型の人間であるらしい。目が覚めると温かいこんぶ茶に梅干しを入れて飲むということを最近の日課にしている。それからnoteで2000文字以内で文章を書いてから読書をする。ここ2週間は継続することが出来ている。特に習慣化しようという気はない。たまたま続いているから、続けているだけである。

早起きは三文の得というから、私もそれを信じている。様々に本を読み、色々なことを吸収する朝にしている。萩尾望都先生の『ポーの一族 ユニコーン』であったり、東海林さだお先生の『ショージ君の青春記』、『ベスト・エッセイ』など、週刊誌を読むが如く、それぞれをちょっとずつ読むのがマイルールとなっている。これは大学生の時に決めたルールで、週刊少年ジャンプのように、たくさんの連載作品が載っている週刊誌を、自ら選んだ本で、自分が編集者になって『行動で組み立てる』ということを行っていた。私の大学生の頃の『行動週刊誌』は豪華で、毎日、森博嗣先生やトーマス・マンヘルマン・ヘッセ北杜夫先生、有栖川有栖先生、多和田葉子先生、古川日出夫先生等が連載していた。連載が終わるときなど、悲しかったものである。むろん、それは私が読む時間をその作品に多く費やしていただけである。ページ数を決めるのも私なので、マンと古川先生の場合はページ数が多く、割と早めに連載が終了した。

考えてみれば、寄席のように入れ代わり立ち代わり演者が出て来る興行が、私の肌には合っていたようである。映画館のように一つの作品に何時間も没頭するのも良いが、どうにも疲れたり飽きが来る。その点、15分で演者も内容も変わる寄席は飽きない。つまらないな、と思えば眠れば良いだけだから。自分の判断で楽しむことができる。

結局は、まず自分が大切なのではないかと思う。重要なのは他人がどう思うかではなく、まず、自分がどう思うかではないだろうか。それを教えてくれたのは、先に挙げた連載陣の先生方の影響が大きい。

私の、ここ最近の行動目標は、『毎日を笑って過ごす』である。2019年の行動指針は、三遊亭天歌さんの『Who』のように、様々な人と出会って、色々な肩書きであったり、考えに出会ったりすることである。

そんな、行動目標・行動指針にぴったりと合う会がある。それがオフィス10さんが開かれている、なかの芸能小劇場での『古今亭文菊 独演会』である。

思い立ったが吉日。私は身支度を整えて家を出た。まだそれほど暑さはなかったが、やがては暑くなるであろうポテンシャルを秘めた朝に飛び込んで、私は一路、会のある場所へと向かったのだった。

 

林家木はち 寿限無

林家木久扇師匠の11番目の弟子で、見た目が若干『若い宮迫博之』に似ていて、ホクロの位置も、とてもぼんやりであるが大体あの辺にあったんじゃないか、と思うくらい、最近話題の闇営業の芸人にそっくりだった。声はそれほど似ていないが、笑った顔が完全に闇営業の顔である(超失礼)

どこか変貌しそうな、風変わりな雰囲気のある寿限無だった。どこまでがネタなのかは分からないが、寿限無のくだりを小さくブツブツ言う場面が印象的だった。

木久扇師匠のお弟子さんは個性派ぞろいの凄腕集団で、今まさに顔も名前も売れている林家きく麿師匠を筆頭に、面白くて頭のおかしい人達(褒めてます)がうじゃうじゃといるので、木はちさんもその枠に入っていくのだろうと思った。

 

古今亭文菊 ちりとてちん

ネタ卸しの時に見た『ちりとてちん』とは、比較にならないほど細部に魂の宿っている文菊師匠の登場人物。見どころは、何と言ってもイケメンの顔面が崩壊し、白目剥きまくりの表情ではないだろうか。私は言葉遣いであったり、言葉のトーンが好きで、文菊師匠の演じ方には、夏の暑い最中に、涼やかな風が吹き抜けて行くような清らかさがある。大家さんのドSっぷりも健在で、会場も大爆笑。抱腹絶倒の一席だった。

 

古今亭文菊 妾馬

ようやく巡り合うことの出来た一席。文菊師匠で聴くのはお初。もうね、徹頭徹尾最高過ぎる。詳細は特に書かないけれど、文菊師匠の八五郎が大好き。妹を思う気持ちも素敵でした。もう語るに及ばずの名演。

 

 総括 いつもの朝から

どうやら、年内で朝10時の独演会は終了するそうである。時間は少し遅くなって15時からとなるようである。なかなか朝に起きられないという方には、朗報であろうと思う。

それにしても、文菊師匠のパワーアップの凄まじさたるや。ジャックと豆の木くらいの成長速度である(早いのか遅いのか分からない)

毎日を笑って過ごす朝に、文菊師匠の落語を聞いて始められる一日。この幸福たるや。もはや筆舌に尽くし難し。

素敵な連休初日。19日まで、さて、何して遊ぼうか。どうやって、毎日笑って過ごそうか。