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自称・演芸ブロガーが語る日本演芸(落語・講談・浪曲)ブログ!

12月こそ、忙しくても寄席に行け!~2019年11月19日 森野的オススメ寄席情報~

 寄席なんて行かなくてもいい。

そんなことを思っている人のために、

この記事はある。

  

きっとあなたも名演に

12月が近づいている。ワクワクの、ドキドキの、12月が。大人は子供に帰り、子供は大人になる12月がやってくる。サンタクロースも寄席にいる。トナカイだって寄席にいる。目には見えないプレゼントが与えられるとき、体験という名のプライスレスが記憶に刻まれるとき、あなたの過去と今と未来は七色に輝く。

そんな12月が、いよいよやってくる。

あなたの握りしめている紙を、あなたはどんなものに変えたい?

宝くじを買って夢に賭けてもいい。何か好きな皿でも買って棚に収めてもいい。大好きな人に指輪を買ったり、自分のために参考書を買ってもいい。あなたの財布の中で眠っている紙を、何に変えてもいい。それはあなたの自由だから。あなたは紙を、あなたの自由に、何にでも変えることができる。

この記事では、私はあなたの持っている紙を極上の『体験』に変えることを推奨する。あなただけの特別な時間が、特別な体験となって、あなたの人生を彩ることを、私はこの記事で書く。

12月。どんなに忙しくても、寄席に行ってほしいと思う。行くか行かないかはあなたの自由だけれど、もしも落語が好きだったら、もしも落語に救われた経験があるのならば、今しかないこの一瞬を、永遠にしませんか。永遠にあなたの記憶に留まる、一生の体験をしませんか。

12月。そんなあなたに素晴らしい体験ができる場所をオススメします。

 

12月上旬(1日~10日) あなたは誰に酔いしれる?

12月の始まりは、どこへ行っても極上の体験ができる。もしも、どんなネタが聴けるか不安で、外れのネタに会いたくない(そんなことは一切無いが)のならば、オススメはこちら。

 誰かを誘っていくなら

 鈴本演芸場 上席 夜の部 主任 五街道雲助

http://www.rakugo.or.jp/2019-12kami-yoru.html

必ず最後にこのネタをやるという意味で『ネタ出し』がされている。もしも不安であれば、自分の行く日にちのネタを調べてから行くのもオススメだ。もしも『両親を誘って寄席に行く』としたら、初日の『火事息子』をオススメする。カップルで行くなら、6日の『替り目』や9日『掛取万歳』、10日『芝浜』が良いだろう。

初めて落語に行くには、ちょっと渋いかも知れないが、ある程度落語を知っていて、誰か気になる相手を誘って外したくない場合は、鈴本の夜の部が良いだろう。事前にネタを教えて、語り合うのも一興である。

もちろん、昼の部の小里ん師匠も外せない。通好みにはオススメだ。

 

 一日中寄席にいたいなら

池袋演芸場 12月上席

http://www.ike-en.com/img/top/yokoku/img_touka1912_kami.gif

もしも落語が大好きで、名人である『古今亭志ん生』や、『柳家小さん』など、両名の師匠の演目を音源や生で聴いたことのある人ならば、絶対に池袋演芸場の12月上席に行くべきだ。

『古今亭』の『亭号』と言えば、廓噺や艶噺などの色気があって、少し大人な雰囲気として有名である。『柳家』と言えば、話の登場人物たちの了見を心得た、『柳の揺れる様を見ているような語り口』を味わえる。

両名の亭号が一度にして見れるのが、池袋演芸場、12月上席の目玉である。昼の部のトリを務めるのは、古典落語の名手にして、唯一無二の端正な所作、淀みの無い語り口と、滲み出る品を持った『古今亭文菊』。夜の部は、温かみがあり、素朴な語りの中に、人の情の温かい流れが優しく輝き、包み込まれるような滑らかな語り口の『柳家さん喬』師匠。昼の部は次なる世代を担う未来の名人。夜の部は現役最高峰の至高の芸を見せる名人。という、一人でがっつり落語を見たい方にオススメの構成だ。

こちらは昼夜入れ変えが無いため、僅か数千円で一日居続けられる。落語好きな人たちで集まって聴くも良し。一人で楽しむもよし。落語を知り始めた人や、落語を聞き始めて数年という人にも、是非ともオススメの構成だ。

 

知ってる人の落語を聞きたいなら

新宿末廣亭 12月上席

http://www.suehirotei.com/12kami.html

 

浅草演芸ホール 12月上席

https://www.asakusaengei.com/schedule/?ca=2848

落語は詳しく知らないけれど、何となく有名人の名前なら知っている。という人にオススメなのが新宿末廣亭浅草演芸ホールだ。

新宿末廣亭、夜トリの春風亭一之輔師匠はラジオや他メディアに多数出演されている。本を出版されたり、テレビでは『落語ディーパー』にも出演されており、知名度は高い。「あ、この人知ってる!」という気持ちで寄席に行くにはオススメだ。

浅草演芸ホールの12月上席、昼の部は春風亭昇太師匠である。知らない人はいないのではないかと思うほど有名な『笑点』の司会者にして、新婚の昇太師匠。熱心なファンも、名前くらいは聞いたことがあるという方にも、オススメだ。

ちなみに浅草演芸ホールの12月5日~12月10日は昼の部を桂文治師匠、夜の部を神田鯉栄先生が担当される。マカ・ガラナ・にんにく・高麗人参・厚切りステーキを食べても、それを上回る熱い熱い活力と精力を貰える構成だ。特に、文治師匠のデッカイ声と満面の笑み、鯉栄先生の唸りをあげるランボルギーニのような巻き舌と、爽快な張り扇の音に酔いしれていただきたい。

 

さて、そんな12月上席。個人的な一押しは『池袋演芸場』である。これはあくまでも森野的なオススメであるため、あなたは自由に寄席に行ってもいい。その他の独演会情報については、敢えて記載しないが、好きな噺家さんを追って楽しむのも良いだろう。

上席では、割と夜の部で季節の風物詩である『芝浜』などのお話が良く演じられる。これは絶対にどこかで聴いて欲しいお話だ。落語を知らない人でも、なんとなく『芝浜』を知っているくらい有名な話なので、どこかで誰でも良いので聴いて欲しいと思う。

 

12月中席(11日~20日 もはや一択

これはですね。申し訳ないですが、絶対にここに行ってほしいです。

こちら。

 

鈴本演芸場 中席 夜の部 年の瀬に聴く 芝浜と柳田格之進

http://www.rakugo.or.jp/2019-12naka-yoru.html

10日のうち、必ずどこか一日は絶対に行った方が良いと思うほど、素晴らしい番組構成にして、トリで必ずや『特別な体験』ができることを保証された構成。

詳細については、敢えて語らない。ここだけは声を大にして

 

 

 絶対

 

 一日は

 

 行く!!!

 

と決意するほど、素晴らしい寄席である。

行かないなんて、考えられません。。。

もはや12月中席は、ここだけでも良いと思える。無論、どこに行っても外れは無いけれど、ここを外すのは、それこそ、勿体なさ過ぎる。

 

12月下席(21日~31日) 寄席に行くより!?

12月の下旬は、寄席よりもその他のビッグイベントの方がオススメである。

なんと言っても私がオススメしたいのは、こちら

 

連雀亭 年末カウントダウン

 https://ameblo.jp/renjaku-tei/entry-12542572253.html

定員わずか40名にして、極上の演芸体験が保証された連雀亭。昼の部では講談師の神田松之丞がトリを務める番組。そして、後半は1月1日のギリギリまで落語を聞くことができる『年末カウントダウン興行』

去年の模様は『https://engeidaisuki.hatenablog.com/entry/2019/01/03/004946?_ga=2.206354963.1296574802.1574167805-1572604500.1570834467』こちらを参照して頂きたい。

なんと言っても、番頭として尽力された三遊亭天歌さんを軸に、脇を固める二ツ目噺家さんから講談師まで、ほぼ何かしらの伝説に出会うことのできる番組になっている。

何よりも、出演者が誰か分からないところが良い。誰が出てきても温かい心持ちで聴くことが出来るし、今まで知らなかった噺家さんに出会い、新しい扉が開く可能性も十分に秘められている。

連雀亭以外にも、横浜にぎわい座や繁昌亭などで『カウントダウン興行』は行われている。是非とも2019年、ギリギリまで落語を聞いていたいという人には、行ってほしいイベントだ。

その他、大好きな噺家さんの2019年、落語家納め、落語納めに適した場所は幾らでもある。年の最後こそ、自由に、好きなところに行って、また新しい一年を迎えて頂ければ幸いである。

つらつらと書いたが、結局は自分の好きな会に行くのが一番良い。この記事を読んでも、別に寄席に行かなくても良いのだ。のんびり実家に帰省して、ぼんやり時を過ごしても良いのだ。

 

さて、12月もいよいよ間近。

どんな素敵な演芸に出会えるのか、今から楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで、

楽しみでならない!!!