寄席
サム・クックやトニー・バロウズなど、魅惑的な声を持つ人は実に幸運だと思う。七色の声を持つという人間というのもいるらしい。七色も声を持っていたら、聴いているだけで退屈しない。落語家にもそういう類の声色を持った者が数人いる。 落語家には、声色や…
誰もが脚光を浴びる世の中では無いことくらい、私はとうに知っていたのだが、これほどまでに脚光を浴びない爆笑王はいないのではないだろうか。三遊亭笑遊、齢68にして気合いと大音量の声で爆笑をさらっていく落語家である。 笑いに貪欲で、とにかく大声を出…
千里の道もピップから 日本の演芸は、伝統があって格式張っていて、金持ちの娯楽と思われている。 南部 虎弾みたいな眼鏡を掛けた老婦人が、着物姿でプードルを抱きながら、「愚民どもの汗が、あたくしどもの血と金になるザマス」と言っている姿を思い浮かべ…