落語・講談・浪曲 日本演芸なんでもござれ

自称・演芸評論家が語る日本演芸(落語・講談・浪曲)ブログ!お仕事のご依頼、文章のご依頼はtomutomukun@gmail.comまで!

文藝秋蔵 その気兼ね無き心~10月14日 鈴本演芸場 橘家文蔵~

私は頼まれて物を云うことに飽いた。 自分で、考えていることを、読者や編集者に気兼なしに、 自由な心持で云ってみたい 文藝春秋 創業者 菊池寛 向いているか向いていないかは、客が決めること 今朝は不思議な夢を見た。 十畳ほどはあろうか、畳敷きの広い…

あなた、まだ桂伸べえを知らないでいるの?~10月13日 深夜寄席 桂伸べえ 古今亭今いち 春風亭昇吉 三遊亭遊子~

失敗談を失敗するっていう 私の体重が減るかどうか! 稲葉さんってご存知でしょうか いい大学出てるんですよ。大阪芸術大学 風が少し冷たい。いつものスタイルでは風邪を引くだろうと思い少し着込む。新宿の街の明かりを浴びながら、雑踏を掻き分けて新宿末…

知的なアウトサイダーズ~10月12日 渋谷らくご 立川吉笑 桂春蝶 笑福亭福笑 林家きく麿~

ティッシュや、これ絶対ティッシュや これ何の笑い? 15対0やぞぉ! だし昆布じゃねぇって言ってんだろぉ! 知的なアウトサイダーズの会、開幕! 暑い日だ。行き交う人々の顔が少しばかり固く見えるのは、自分の顔が柔らかすぎるからだろうと思う。見てもら…

教育勅語と落語の世界~気の長短における疑問から考える、人間の道徳性と笑い~

早くおせぇろ!こりゃ事に寄らなくてもおせぇた方がいいんだ!馬鹿野郎! それ見ねぇ、そんなに怒るじゃねぇか。だからおせぇねぇ方が良かった。 【考えの発端~古書との出会い~】 古書店でたまたま見かけた『文藝春秋デラックス 古典落語と古川柳 日本の笑…

馬改造の古典と肝心要の勧之助~10月8日 新宿末廣亭 鈴々舎馬るこ 柳家勧之助~

こんちわぁ ご隠居さんいますかぁ 小便、飲んだことある? チーズバーガーを鷲掴みにした鷹が こんなグルグル回るうち、いらねぇや 私の毛の伸びしろは無いんですがねぇ ニワトリを生んだってんでね 曇天の空の中、新宿末廣亭は行列を成している。空模様を…

美しき心が宿る名調子~10月7日 浅草木馬亭 月例 玉川太福独演会第12回~

今日はお子さんも多いので、侠客ものをやります。 あ、あれか、金井君、今日は「ちょっと!」の日か 武士なら碌より名を残せ 晴れである。とにかく晴れである。一点の曇りなく晴れである。空が暗くなろうと、街の明かりは燦燦と輝き、ドン・キホーテのペンギ…

品格と粋、僅かばかりの野良を添えて~10月7日 なかの芸能小劇場 古今亭文菊お宝三席~

夜這い、皆さんご存知でしょ?今更、知らないとは言わせませんよ? なんですか、この引いていく感じは あたくしは10時担当ですから いちがーっち!いちがーっちはてんてーこてん 朝練講談会の後、物販でサインをして書籍、CDを売る松之丞さんを横目に次の会…

神田松之丞は如何にして観客に応えたか~10月7日 お江戸日本橋亭 朝練講談会~

いつもは風通しがいいんです。こんなにお客さんが多いとね、息が詰まって苦しいですね。圧が凄いんですよ、圧が。 私は天邪鬼なんでね、短い話をやろうかなと思うんですけど。 やっすべぇ、やっすべぇ 天候は晴れて過ごしやすく、静かに穏やかな風が街を流れ…

いぶし銀の閃光~10月6日 池袋演芸場 柳家小満 古今亭菊之丞~

しんがりですから、30分はやらなくっちゃいけない。 皆様を品川の海へお連れ致しやしょう。 ぴかぴかでしゅーしゅーのさんま! 全ては俺の意のままに 10月は寄席が凄い。鈴本演芸場の柳家小三治師匠に始まり、池袋演芸場は柳家小満ん師匠、浅草演芸ホールは…

私は柳家小三治に何を期待していたのか?~2018年10月3日 鈴本演芸場  柳家小三治~

嫌ですねぇ、情報ってやつは 自分が良いと思えば良い。良くないと思えば良くない。それでいいじゃないですか。そう思いませんか、ねぇ。 私の趣味はいつの間にか落語になりました。 What did you expect from Kosanji Yanagiya 兎角世間というものは情報に流…

演者と演目、その一期一会について

年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず レストランに入ってメニュー表を眺めていると、美味しそうな料理の写真が幾つも載っている。別のテーブルにいた家族が嬉しそうな表情でメニューを指さし、料理の名前をウエイターに告げる。およそ満足できると想像…

天国で見守る歌丸師匠とともに~2018年9月30日 芸協らくごまつり~

私もそろそろあの世へ行きますが、私の死因は『孤独死』です。昇太と一緒で『孤独死』です。 いいですか皆さん。これから八歳のこと三十五の講談師の勝負ですよ。私の講談が果たして八歳の子に届くのか! 金の目でダルそうにしているっ! 笑いで雨を吹き飛…

【図解】私が思う落語の面白さ

志ん朝さんに期待する、っていうのはネ、こんくらいのもの(大きな丸)を期待してるじゃん、こっちは。志ん朝さんは、このくらいで(最初の丸より少し大き目の丸)返してくれるからサ、満足できるところって、このくらい(二つの丸の、わずかな差)しかない…

志ん駒駅始発、真打行き~鈴本演芸場9月23日 古今亭駒治 真打昇進披露興行~

「おう兄(あん)ちゃん、飯食おう。すごい定食屋があるんだ。目白にしかないから、ついてこい」。 「鉄道戦国絵巻」も、創ったときは誰も笑わないと思いましたもん。 自分の趣味だけだなと。 誰も歩んだことのない道にようやくレールを敷きました。皆様、ど…

伝説の夜~深夜寄席 2018年9月22日~

堺屋ぁ!日本一ぃ! 台風によって流れた深夜寄席の会を席亭のお心遣いで、同じ演者でやる。そのニュースを目にしたとき、気を長くして待っていようと思いながら、その日がいつになるのだろうと待ちかねていた矢先に、9月22日の開催ということが決まる。 様々…

民謡×ラテン 熱き魂の混合~民謡クルセイダーズ×見砂和照と東京キューバンボーイズ~最速レポート!

エチオピアの音楽が、民謡にそっくりだったんですよ。 僕はね、こんなことを言うとあれですが、最初はラテンに興味無かったんですよ 民謡クルセイダーズの地元、福生市民会館で行われた『民謡クルセイダーズ×見砂和照と東京キューバンボーイズ』のライブを見…

最強コスパな怒涛の人間劇場~新宿末廣亭 9月16日 昼夜通し~

名前が一朝ですから、一朝懸命頑張ります! 寄席で自爆テロなんか起こるわけないでしょ? まぁ、芸人は時々自爆してますがねぇ。 JALがどうしてJALになったか知ってかぁ?ちげぇ!!!」 新宿末廣亭の9月中席の番組を見る。今どきの言葉で言えば『俺得』とい…

人の心は市松模様~渋谷らくご 9月14日 20時回~

忠臣蔵は、『別れ』がテーマになっているんです 渋谷らくごには何度か足を運んだことがある。毎回、あの卑猥なホテル街道を抜け、若者達の奇抜過ぎる渋谷O-WESTだかなんだか知らないが、逆マクドナルドみたいなロゴの建物を横目に見て、目的地であるユーロ…

男気に零れる涙で咲く花よ~19回赤坂で浪曲 「玉川太福『天保水滸伝』連続読み」第二回~

政、お前が笹川へ行ったら掃き溜めに鶴が降りたようなもんだろう。 上杉謙信は敵将、武田信玄に塩を送ってやったというが、 この謙信に劣らない、立派な心がけ 許してください、十一屋 それは夏も終わりに近づく、暑い日の午後だった。謝楽祭を終えて、溜池…

中高年のSummer Sonic~謝楽祭2018年 最速レポート!今年は復興支援だ!~

落語家なのに落ち着かない 雲はあれど快晴の9月9日。 電車を乗り継ぎやってきました湯島天神。 10時前に並ぶのはやっぱり福扇の列。今年は平成最後ということや、人間国宝柳家小三治が最後の揮毫か(?)ということで、かなりの人、人、人。と言っても、年齢…

第10回 どんぶらこっこ ゑ彦印~バブルと鉄道と菜と煎餅と神の共演~

イナモリ商店!? 千早駅ってのがあるんですよ。 嘘だと思ったらWikipediaで調べてごらんなさいな クイズ!ドレミファドンだったら即座に分かる落語の出だし。 「植木屋さん、ご精が出ますな」 まっつぐかぁ、いいなー、下町だなぁ。 スーザン・ボイルになっ…

極上の闇鍋~立川流のあたらしい会 新・2~

全員ウケてるでしょ。腹立ってくるんですよ。 優しい志らの兄さん。僕の出番の前にね、こんなことを言ってくれましたよ 。思いっきり滑って来いって。いい兄さんだなぁ。 会場はお江戸日本橋亭。雨が降って蒸し暑い中、大勢の人だかり。志ら乃師匠が出てきた…

オーストラ・マコンドー 『ありがたみをわかりながら死ね』~いつも届かずに離れていってしまうものへ~

ありがたみをわかりながら死ね いつ、どんな時に、どんなところから自分の行動が選択されるかなんて、皆目見当が付かない。出会いに必然と偶然があるとすれば、私が知った情報から行動を起こし、そしてその選択の先に待ち構えていたものに出会ったのは、間違…

2018年9月1日 池袋演芸場~雷門助六 桂伸治~

あたしの長講は10分 ちょうこっとなの 待ってました!大門町 曇天の空模様の中、本日は池袋演芸場の昼夜入れ替えなしの公演に行ってきた。昼席は満席で立ち見も出るほど。昼席トリを務めたのは雷門助六師匠。演目は気の長短。トリで長短かぁーと思いつつ、目…

挑戦と異空間の創造~第九回桂伸べえ落語会~

親父の持つ独特な雰囲気、 あれあたくしのほうではフラ?っていうんですが、 ふっと笑いたくなるようなおかしみね、 それは勉強してできるもんじゃないんです 仕事が早く終わる水曜日。西新宿ミュージックテイトにて『第九回 桂伸べえ落語会』に行ってきた。…

2018年 謝楽祭の楽しみ方 その3~ライブ編~

神様は私たちに、成功してほしいなんて思っていません。 ただ、挑戦することを望んでいるだけです。 多芸に秀でるものは一芸に通ずるなんて言葉にも代表されるように、落語家にも多芸に秀でた方々がたくさんいる。そんな落語家の一面を見ることが出来るのが…

2018年 謝楽祭の楽しみ方 その2~出店編~

京都三条の糸屋の娘 姉は十六 妹は十四 諸国大名は弓矢で殺す 糸屋の娘は眼で殺す この時期の寄席に行けば必ず貰える『謝楽祭のパンフレット』を手に入れると、当日にどんなルートで出店を回ろうかと考えることができる。Twitterにも画像が出回っているので…

開催目前! 2018年度 謝楽祭の楽しみ方 その1 ~寄席編~

躍るアホウと見るアホウ 同じアホウなら 躍らにゃソンソン 今年も謝楽祭の季節がやってくる。詳細はこちら 謝楽祭2018 | 一般社団法人 落語協会 落語に精通している方でも、さほど落語を知らないという方でも、一日行けば落語にどっぷり浸かれること間違いな…

殺し屋のメロディ  春風亭朝七 ~江戸標準のスーパー前座~

落語の世界にも身分制度というものがあります。 見習い、前座、二つ目、真打、ご臨終 落語家の社会には前座というものがいる。 寄席に行くと開口一番で出てきて座布団に座り、話をするのが前座である。なぜ、最初に出てきて落語を披露するかと言うと、持ちネ…

男が惚れる男の中の男 ハードボイルド・ダンディ 柳家小満ん

樽で作った酒ってのは、知らぬ間に減っちまうんだってね。 なんでも、天使の飲み代って言うそうじゃねぇか。 粋だねぇ ダンディの基準は何だろう。缶コーヒーのBOSSのマークだろうか、ロバート・デニーロだろうか、アル・パチーノだろうか、それとも坂野? …