落語・講談・浪曲 日本演芸なんでもござれ

自称・演芸ブロガーが語る日本演芸(落語・講談・浪曲)ブログ!

なにもなくてもしあわせ~2021年11月4日 スタジオフォー 四の日寄席~

幸福なる生活は、心の平和において成り立つ。 キケロ Ask too much 晴れているのに涼しい秋の日の朝が、私はたまらなく愛しい。夏と違って、晴れていれば晴れているだけ暑いというわけではなく、晴れていても、場合によってはジャケットを一枚羽織らなければ…

走る君の背中にそっと羽をあげよう

その苦しみを代わることは出来なくても君の手をとって導くくらいは出来るかな アントレプレナー凄い人がいる。何が凄いかと言われても、「会って話を聞いてみてくれ。そうすれば、その凄さが分かる」としか言いようの無い人がいる。その人は、名前をMAOとい…

待てば甘露の日和あり~2021年5月15日 古今亭文菊独演会~

過去のことなど考えない。重要なのは永遠につづく現在。それのみだ Waiting is the hardest part of life今が永遠に続くと信じているから、私は惰性で生きてしまうのだろうか。 来る日も来る日も、無駄に飯を食べて惰眠を貪って時間を無為に過ごす。 それが…

窮鼠猫と戯れる~2021年2月27日 渋谷ユーロライブ Suspenders Guide~

あらゆる勝負ごとは全て、追い込まれてからが面白い 最高 サス ペンダーズのライブを見ました。渋谷のユーロライブで。 とても面白かった。 もう一度、言わせてください。 とても面白かった。 旧ネタ2作と、新ネタ3作。どれもめちゃくちゃ面白かった。旧ネタ…

Youtubeに上がってるサスペンダーズのネタ動画が面白いので全部レビューしてみた

2014年10月12日『フォークソング部』 https://www.youtube.com/watch?v=5CNoXQn7-go&t=59s フォークソング部に入部した新人の古川さんと、フォークソング部に所属する依藤さんとのやり取りが行われるネタ。フォークソング部に入部した古川さんが、ことごとく…

立つ腹を寝かせて眠れ~2021年2月14日 渋谷らくご14時回~

ALL BRIGHT昨日の夜に大きな地震があった。それで、目が覚めた。すぐに家族のグループラインで、両親から「大丈夫?」のラインが来た。眠かったので、竹内力のパワー全開のスタンプで返した。弟だけ返事が来なかった。まさか死んではいるまい。朝になって「…

フィボナッチしようよ

METAL とにかく世間は、めまぐるしく変わる世間とやらは、家に帰れば石鹸で手を洗い、下手をすれば折檻なんてことにもなりかねない状況の中で、我慢の3連休の初日を迎えた。全く、どうしようもなく人と接触することが嫌になり、しつこい飲みの誘いも「会社か…

The Boy with the thorn in his side

Left and Right 右を見ても左を見ても、燃えてばかりで収拾がつかない。仕方がないので真ん中を歩いてみるのだが、右と左の熱さにうなされて、とても歩ける状況ではない。いっそ、心頭滅却すべしと心に決めて、潔く歩いてみようかと思うのだが、素足ではどう…

Don’t Stop Believin’

Shine The Light 太陽が昇れば月が沈んで行くように、月が昇れば太陽が沈んで行くように、人生には幾度も光と闇が訪れる。陽光と月光を何度も浴びながら、我々は長大な時間を生きている。長い年月をかけて積もる雪も、夏になればすっかり溶けて透明な水にな…

うさぎの声に耳をすませて~2020年3月1日 ナツノカモ低温劇団『月の裏側』~

しめこの兎 動物同士のアテレコをしたことがある。 北海道の旭川動物園に行ったときの話だ。 もちろん僕一人で、それも、ほんの気まぐれで。 まぁ、深くは尋ねないでおくれよ。 ちょうど、クジャク舎の前を通りかかったとき、そこでは美しい二羽のクジャクが…

夢の国でゆらゆらと~2020年1月13日 シブラクレビュー あとがき~

経緯 今回のシブラクレビューがこちら http://eurolive.jp/shibuya-rakugo/preview-review/20200113-1/ ご承知の通り、全編にわたってディズニーランドのアトラクションで喩えたレビューになっております。 きっかけは、春蝶師匠の『死神』を見た時でした。…

あとがき~渋谷らくごレビュー 2019年12月15日~

レモンエロウ 今回のシブラクレビューはこちら http://eurolive.jp/shibuya-rakugo/preview-review/20191215-2/ 6時間ほどの効果しか無い薬を飲み、ダルい体を押して臨んだ渋谷らくご。正直、気持ち的には「やべーな」くらいでした。 見ている時はそれほど苦…

森野照葉 自己紹介

出会いは億千万の 2017年4月某日。私は疲れ果てていた。急な辞令、急な転勤、急な引っ越し、急な職場。何もかもが急すぎて窮していた。 窮地の窮ちゃんだった。 アツアツのご飯に乗るどころか、アツアツの鉄板に乗せられて土下座する利根川幸雄だった。利根…

WLUCK LIVE Vol.2 感想

そういう目で見よう 髪切りたくて 2000円 みんなが思う タイミング いーやっ! 好感が持てる だめだ トマト ビーフ 銀兵衛『検索履歴』 一聴しただけでは意味が良くわからない理論を、高らかに、大真面目に、訴えるように叫ぶことによって、圧倒的な説得力を…

もっと幸福になれる

怒っても殺せないときは、笑えば殺すことができる。 ニーチェ Weather Report 付き合うか付き合わないか、瀬戸際の男女のような天気だった。 降るか降らないか、女の方が決めかねているようだった。 相変わらず降られっぱなしの私は、傘も持たずに家を出て、…

なぜサスペンダーズの『知恵の輪』は素晴らしいコントなのか

自分の値打ちを下げてはいけない。それが特に大切なポイントだ。さもないと君は終わりだ。もっとも生意気な人間に絶好のチャンスがある。 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 大丈夫、大丈夫になった。 サスペンダーズ 『知恵の輪』 https://www.yout…

”こころ”の中で何度でも~2020年9月11日 渋谷らくご~

閉じていく思い出の そのなかにいつも忘れたくない ささやきを聞くこなごなに砕かれた 鏡の上にも新しい景色が 映される 木村弓『いつも何度でも』 いつも何度でも 心躍る夢を見たい。そう歌ったのは木村弓さんである。 心躍る落語が見たい。そう思ったのは…

僕らはみんな生きている~都内某所~

自殺しようと思ったことが何度かある。 はっきりと数を言うことは出来ないが、確実に覚えている1回がある。 母の目の前で、包丁を握りしめ、自分の左腕を切り落とそうとした。 だが、振り上げた包丁を降ろすことができなかった。 それは、私の目の前にいた母…

令和狐狼拿流行記~2020年4月5日~

疫毒預防 自分はコロナで死なないと思っている人間ほど、コロナを恐れている人間にとって怖い存在はなかろうに、それでもまだ外を歩きながら平然としている人の多いこと。 日本人の能天気さが海外にどう映っているかは別として、私も私なりに考えることがあ…

After-Vision

想像は容易く別世界へと我々を誘ってくれる。 だが、想像できない者はどうであろうか。 この世に想像できない者などいるのだろうか。 想像する力は誰にでもあるが、その力を 十分に発揮できない者と、 間違った方向に発揮する者とがいるようであるが、 詰ま…

『底知れなさ』をたのしもう~2020年3月13日 渋谷らくご 20時回~

漠然とした不安は、立ち止まらないことで払拭される。 羽生善治 シブトク・シブラク 風が吹けば桶屋が儲かるみたいに、コロナが流行れば演芸が廃れるなんてことはありえない。僕はそう思っているし、それは紛れもない事実だ。むしろ、心配事が増えれば増える…

古今亭文菊a.k.a自由が丘の貴公子~2020年2月29日 自由が丘PLUS南口店 独演会~

身分相応と、 身分不相応という言葉を知ると、 人として一気に上に行ける。 ブッダ 身分 自らの地位や資格は、自分では決めることができない。ある集団や組織の中に属していると、否が応でも身分というものをわきまえなければならず、それには耐えられるもの…

あなたと冒険したくて~2020年2月28日 神田連雀亭 新作冒険倶楽部~

うまくいくか いかないか わからないから 開発するんだよ トヨタ自動車工業 中村健也 大輪 失敗でも成功でもない状態とはどんな状態であるかと問われれば、それは挑戦した者が「失敗でも成功でもない」と固く信じている状態であると言おう。 信じる者だけが…

水のこころを誰に語らむ~2020年2月22日 古今亭文菊独演会 良助会~

流れも清き多摩川の 水にあらひて生れたる 伊藤長七『 東京都立小石川中等教育学校の校歌』 誇り 昭和2年7月15日、玉川電気鉄道溝ノ口線二子電停として開業し、昭和10年に二子新地前と改名、駅員の発音によっては「双子死んじまえ」と聞こえることから名前を…

我は忘却の深溝に~2020年2月16日 シブラクレビュー あとがき~

忘れるにまかせるということが、 結局最も美しく思い出すということなんだ。 川端康成『散りぬるを』 忘我混沌の歓喜 今回のレビューはこちら http://eurolive.jp/shibuya-rakugo/preview-review/20200216-1/ 普段の暮らしにおいても、私は我を忘れるという…

人は白き山を登りて~2020年2月15日 新宿末廣亭 神田伯山真打昇進襲名披露興行~

神の田の直ぐ傍に 小さな池があるという その周りには松が生え 錦の鯉が泳ぐという 松から種子が落ちたとき、 そこから沸々 込み上げる 小さな熱が ありました 幾年月が過ぎて 隆起と沈降 繰り返し 僅かな噴火が 積み重なりて 一山生まれし その時に 山の頂 …

百年目の恥~2020年2月12日 横浜にぎわい座 古今亭文菊~

未来のことは、誰にもわからない だからこそ、この再会が意味するように 無限の可能性があるんだ シュタインズゲート 岡部倫太郎 不撓不屈 生きていれば信じられないほど恥をかく。一度や二度ならまだしも、幾度も恥をかいては至らない自分を修正する。或い…

軽さと鋭さの風を吹かせて~2020年2月11日 浅草演芸ホール 春風亭朝枝~

君の行く道は 果てしなく遠い だのになぜ 君は行くのか そんなにしてまで ザ・ブロード・サイド・フォー『若者たち』 ポイント・オブ・ノー・リターン 一廉の人物になろうと決意し、奮い立った心に突き動かされて数十年。歳を重ねる毎に達成できた目標と出来…

浪曲の灯火~2020年2月8日 浅草木馬亭 浪曲名人会~

君が2年でやることを 10年かかる僕 ワタナベマモル『時速4kmの旅』 Return 二月に入って八日も経つのかと思うと時の進みの速さに驚くのだが、しんと冷えて刺すような空気を感じると、二月の冷たい横顔を見るような心持ちになって寒い。 こわばった頬をさすり…

進化の化身~2020年1月25日 新宿末廣亭 深夜寄席~

Well my temperature’s risingAnd my feet left the floorCrazy people knocking,‘Cause they want some more.Let me in baby,I don’t know what you gotYou better take it easy.This place is hot. The Spancer Davis Group『Gimme some lovin'』 Don't Th…