落語・講談・浪曲 日本演芸なんでもござれ

自称・演芸ブロガーが語る日本演芸(落語・講談・浪曲)ブログ!

2020-01-01から1年間の記事一覧

WLUCK LIVE Vol.2 感想

そういう目で見よう 髪切りたくて 2000円 みんなが思う タイミング いーやっ! 好感が持てる だめだ トマト ビーフ 銀兵衛『検索履歴』 一聴しただけでは意味が良くわからない理論を、高らかに、大真面目に、訴えるように叫ぶことによって、圧倒的な説得力を…

もっと幸福になれる

怒っても殺せないときは、笑えば殺すことができる。 ニーチェ Weather Report 付き合うか付き合わないか、瀬戸際の男女のような天気だった。 降るか降らないか、女の方が決めかねているようだった。 相変わらず降られっぱなしの私は、傘も持たずに家を出て、…

なぜサスペンダーズの『知恵の輪』は素晴らしいコントなのか

自分の値打ちを下げてはいけない。それが特に大切なポイントだ。さもないと君は終わりだ。もっとも生意気な人間に絶好のチャンスがある。 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 大丈夫、大丈夫になった。 サスペンダーズ 『知恵の輪』 https://www.yout…

”こころ”の中で何度でも~2020年9月11日 渋谷らくご~

閉じていく思い出の そのなかにいつも忘れたくない ささやきを聞くこなごなに砕かれた 鏡の上にも新しい景色が 映される 木村弓『いつも何度でも』 いつも何度でも 心躍る夢を見たい。そう歌ったのは木村弓さんである。 心躍る落語が見たい。そう思ったのは…

僕らはみんな生きている~都内某所~

自殺しようと思ったことが何度かある。 はっきりと数を言うことは出来ないが、確実に覚えている1回がある。 母の目の前で、包丁を握りしめ、自分の左腕を切り落とそうとした。 だが、振り上げた包丁を降ろすことができなかった。 それは、私の目の前にいた母…

令和狐狼拿流行記~2020年4月5日~

疫毒預防 自分はコロナで死なないと思っている人間ほど、コロナを恐れている人間にとって怖い存在はなかろうに、それでもまだ外を歩きながら平然としている人の多いこと。 日本人の能天気さが海外にどう映っているかは別として、私も私なりに考えることがあ…

After-Vision

想像は容易く別世界へと我々を誘ってくれる。 だが、想像できない者はどうであろうか。 この世に想像できない者などいるのだろうか。 想像する力は誰にでもあるが、その力を 十分に発揮できない者と、 間違った方向に発揮する者とがいるようであるが、 詰ま…

『底知れなさ』をたのしもう~2020年3月13日 渋谷らくご 20時回~

漠然とした不安は、立ち止まらないことで払拭される。 羽生善治 シブトク・シブラク 風が吹けば桶屋が儲かるみたいに、コロナが流行れば演芸が廃れるなんてことはありえない。僕はそう思っているし、それは紛れもない事実だ。むしろ、心配事が増えれば増える…

古今亭文菊a.k.a自由が丘の貴公子~2020年2月29日 自由が丘PLUS南口店 独演会~

身分相応と、 身分不相応という言葉を知ると、 人として一気に上に行ける。 ブッダ 身分 自らの地位や資格は、自分では決めることができない。ある集団や組織の中に属していると、否が応でも身分というものをわきまえなければならず、それには耐えられるもの…

あなたと冒険したくて~2020年2月28日 神田連雀亭 新作冒険倶楽部~

うまくいくか いかないか わからないから 開発するんだよ トヨタ自動車工業 中村健也 大輪 失敗でも成功でもない状態とはどんな状態であるかと問われれば、それは挑戦した者が「失敗でも成功でもない」と固く信じている状態であると言おう。 信じる者だけが…

水のこころを誰に語らむ~2020年2月22日 古今亭文菊独演会 良助会~

流れも清き多摩川の 水にあらひて生れたる 伊藤長七『 東京都立小石川中等教育学校の校歌』 誇り 昭和2年7月15日、玉川電気鉄道溝ノ口線二子電停として開業し、昭和10年に二子新地前と改名、駅員の発音によっては「双子死んじまえ」と聞こえることから名前を…

我は忘却の深溝に~2020年2月16日 シブラクレビュー あとがき~

忘れるにまかせるということが、 結局最も美しく思い出すということなんだ。 川端康成『散りぬるを』 忘我混沌の歓喜 今回のレビューはこちら http://eurolive.jp/shibuya-rakugo/preview-review/20200216-1/ 普段の暮らしにおいても、私は我を忘れるという…

人は白き山を登りて~2020年2月15日 新宿末廣亭 神田伯山真打昇進襲名披露興行~

神の田の直ぐ傍に 小さな池があるという その周りには松が生え 錦の鯉が泳ぐという 松から種子が落ちたとき、 そこから沸々 込み上げる 小さな熱が ありました 幾年月が過ぎて 隆起と沈降 繰り返し 僅かな噴火が 積み重なりて 一山生まれし その時に 山の頂 …

百年目の恥~2020年2月12日 横浜にぎわい座 古今亭文菊~

未来のことは、誰にもわからない だからこそ、この再会が意味するように 無限の可能性があるんだ シュタインズゲート 岡部倫太郎 不撓不屈 生きていれば信じられないほど恥をかく。一度や二度ならまだしも、幾度も恥をかいては至らない自分を修正する。或い…

軽さと鋭さの風を吹かせて~2020年2月11日 浅草演芸ホール 春風亭朝枝~

君の行く道は 果てしなく遠い だのになぜ 君は行くのか そんなにしてまで ザ・ブロード・サイド・フォー『若者たち』 ポイント・オブ・ノー・リターン 一廉の人物になろうと決意し、奮い立った心に突き動かされて数十年。歳を重ねる毎に達成できた目標と出来…

浪曲の灯火~2020年2月8日 浅草木馬亭 浪曲名人会~

君が2年でやることを 10年かかる僕 ワタナベマモル『時速4kmの旅』 Return 二月に入って八日も経つのかと思うと時の進みの速さに驚くのだが、しんと冷えて刺すような空気を感じると、二月の冷たい横顔を見るような心持ちになって寒い。 こわばった頬をさすり…

進化の化身~2020年1月25日 新宿末廣亭 深夜寄席~

Well my temperature’s risingAnd my feet left the floorCrazy people knocking,‘Cause they want some more.Let me in baby,I don’t know what you gotYou better take it easy.This place is hot. The Spancer Davis Group『Gimme some lovin'』 Don't Th…

笑顔のために生きる~2020年1月24日 文菊寄席~

私の信条は 『毎日を笑って過ごす』ことだ。 公園の茶トラ猫 「おぎゃあ」と生まれてから墓地に収まるまでの間に、一体どれだけの時間を幸福に過ごすことが出来るのかと考えてみれば、自分の心次第であるという結論に達するのだが、自分の心というものは始終…

その胸の奥底から沸き上がる愛を止めるな~2020年1月22日 文菊の時間~

愛とは、ひとりの男なり女なりを大勢の中から選択して、そのほかの者を絶対に顧みないことです レフ・トルストイ ドンナニコンナニ 志賀直哉の短編に『イヅク川』という作品がある。簡単にネタバレをしてしまえば、それは「会いたい人に会いたい気持ちがあっ…

【Day 4】畔倉重四郎 連続読み~2020年1月 神田松之丞~

その時は知らなかった チバユウスケ『人殺し』 第十三話 おふみ重四郎白洲の対決 テレビ番組の取材が入っているためか、昨夜の『重四郎召し捕り』をダイジェストで熱演。その後、白洲の場へと突き出された重四郎の様子が本物の悪人を感じさせる。 特に、松之…

【Day 3】畔倉重四郎 連続読み~2020年1月 神田松之丞~

青すぎる あの牧場に行くつもりだったけれど この列車は そこまでは着かないんだって チバユウスケ『人殺し』 Hide And Seek 目の前を飛ぶ鬱陶しい蚊を手で潰すことと、日常生活で自分の邪魔ばかりしてくる人間を殺すことに差はあるのだろうか。どちらも命を…

【Day 2】畔倉重四郎 連続読み~2020年1月 神田松之丞~

明け方始発で この街を出て行くって チバユウスケ『人殺し』 サイコパス 自分の中に自分とは別の存在を作り上げる人間がいる。それはマトリョーシカのように、開けて行けば同じような形をした存在が現れ、どんどんと小さくなっていくというものではなく、む…

【Day 1】畔倉重四郎 連続読み~2020年1月 神田松之丞~

二人は恋人 名前を知らない チバユウスケ『人殺し』 夢 人を殺す夢を見たことがある。一度や二度ではない。記憶しているだけで三度ある。いずれも完全犯罪で、親しい友人、名の知れぬ人物、気に入らぬ人物、一人を殺害する。はっきりと「俺は人を殺したのだ…

君の高座は10000ボルト~2020年1月12日 梶原いろは亭 桂紋四郎 『伊勢参宮神乃賑』に挑戦~

君の高座は10000ボルト 地上に降りた最高の噺 ベーヤン 読者になら分かって頂けると思うのだが、客席にいて噺家の一言に痺れる瞬間がある。川平慈英ばりの『くうう~~』が飛び出すほど、痺れるような言葉を聞く瞬間があって、それが止められなくて落語を聞…

なぜ東京の落語ファンは上方落語が大好きなのか~2020年1月6日 桂紋四郎 上方二つ目最前線~

東も西も分け隔てなく 北も南も分け隔てなく 全ての演芸好きたちが ありとあらゆる場所にある 笑顔の集まる場所にある 素敵な芸に 出会えますように 上方落語が止まらない 2019年は初めて天満天神繁昌亭に行ったり、一心寺に行ったりと、『生の上方演芸お初…

大金の行く末~2019年1月5日 古今亭文菊独演会~

そいはするりと きみにしにのたまおうものなら 断崖絶壁から荒れ狂う波に飛び込もうというような、悲壮感の溢れる悲劇のヒロインは街のどこにもおらず、まして、そんなヒロインに「待て!飛び込んじゃ駄目だ!」なんて言葉をかける男もいなければ、つくねを…

あらたまの心の奥の輝きの~2020年1月4日 スタジオフォー 四の日寄席~

遠くにいけば、近くにあって 近くにいけば、遠くにあって 彷徨えば恋 留まれば愛 傷ついて恋 癒されて愛 芽吹くまで 年明けの忙しなさに紛れて、私は巣鴨の街を歩いた。どれほどの長さがあるのか分からないが、羽子板の絵とともに『巣鴨地蔵通商店街』と名付…

冷蔵庫から三途の川まで、或いは混沌の童心~2020年1月3日 プーク人形劇場 新作落語 お正月寄席~

ポケットのなかにはビスケットがひとつ ポケットをたたくとビスケットはふたつ まど・みちお『ふしぎなポケット』 狂気を孕む冷蔵庫 特に意味も無いのに冷蔵庫を開けてしまうことが多々ある。小腹が空いたときなど、ふとした弾みで冷蔵庫を開けてしまう。気…

ゆるりふわりとパパン・パン~2019年1月2日 お江戸日本橋亭 講談初席~

ザギンで見かけたアベックの 女はパイオツカイデーだったなリーマン今日もよそよそしい タイミング見計らってドロンあいみょん『ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌』 吾輩の辞書に『バタンキュー』という文字は無い ナウなヤングにバカウ…

渋谷のラッパーはなぜ浪曲を聴きに行くのか~2020年1月1日 浅草木馬亭 初席~

俺は浅草生まれ 浅草寺育ち 戦争行った奴らが友達 関東武士だ 韓国人じゃねぇ 神社よりもジンジャエールだぜ 唸るじいちゃん 鳴らすのはばあちゃん 聞こえて来るぜ 人生 浪花節 関東節だ くるぶしじゃねぇ 痛んでるのは体の節々 ぼちぼち木馬亭に入りな 癒さ…