落語・講談・浪曲 日本演芸なんでもござれ

自称・演芸ブロガーが語る日本演芸(落語・講談・浪曲)ブログ!

2018-01-01から1年間の記事一覧

民謡×ラテン 熱き魂の混合~民謡クルセイダーズ×見砂和照と東京キューバンボーイズ~最速レポート!2018年9月17日

エチオピアの音楽が、民謡にそっくりだったんですよ。 僕はね、こんなことを言うとあれですが、最初はラテンに興味無かったんですよ 民謡クルセイダーズの地元、福生市民会館で行われた『民謡クルセイダーズ×見砂和照と東京キューバンボーイズ』のライブを見…

最強コスパな怒涛の人間劇場~新宿末廣亭 2018年9月16日 昼夜通し~

名前が一朝ですから、一朝懸命頑張ります! 寄席で自爆テロなんか起こるわけないでしょ? まぁ、芸人は時々自爆してますがねぇ。 JALがどうしてJALになったか知ってかぁ?ちげぇ!!!」 新宿末廣亭の9月中席の番組を見る。今どきの言葉で言えば『俺得』とい…

人の心は市松模様~渋谷らくご 2018年9月14日 20時回~

忠臣蔵は、『別れ』がテーマになっているんです 渋谷らくごには何度か足を運んだことがある。毎回、あの卑猥なホテル街道を抜け、若者達の奇抜過ぎる渋谷O-WESTだかなんだか知らないが、逆マクドナルドみたいなロゴの建物を横目に見て、目的地であるユーロ…

男気に零れる涙で咲く花よ~19回赤坂で浪曲 「玉川太福『天保水滸伝』連続読み」第二回~2018年9月10日

政、お前が笹川へ行ったら掃き溜めに鶴が降りたようなもんだろう。 上杉謙信は敵将、武田信玄に塩を送ってやったというが、 この謙信に劣らない、立派な心がけ 許してください、十一屋 それは夏も終わりに近づく、暑い日の午後だった。謝楽祭を終えて、溜池…

中高年のSummer Sonic~謝楽祭2018年 最速レポート!今年は復興支援だ!~2018年9月9日

落語家なのに落ち着かない 雲はあれど快晴の9月9日。 電車を乗り継ぎやってきました湯島天神。 10時前に並ぶのはやっぱり福扇の列。今年は平成最後ということや、人間国宝柳家小三治が最後の揮毫か(?)ということで、かなりの人、人、人。と言っても、年齢…

第10回 どんぶらこっこ ゑ彦印~バブルと鉄道と菜と煎餅と神の共演~2018年9月5日

イナモリ商店!? 千早駅ってのがあるんですよ。 嘘だと思ったらWikipediaで調べてごらんなさいな クイズ!ドレミファドンだったら即座に分かる落語の出だし。 「植木屋さん、ご精が出ますな」 まっつぐかぁ、いいなー、下町だなぁ。 スーザン・ボイルになっ…

極上の闇鍋~立川流のあたらしい会 新・2~2018年9月2日

全員ウケてるでしょ。腹立ってくるんですよ。 優しい志らの兄さん。僕の出番の前にね、こんなことを言ってくれましたよ 。思いっきり滑って来いって。いい兄さんだなぁ。 会場はお江戸日本橋亭。雨が降って蒸し暑い中、大勢の人だかり。志ら乃師匠が出てきた…

オーストラ・マコンドー 『ありがたみをわかりながら死ね』~いつも届かずに離れていってしまうものへ~2018年9月2日

ありがたみをわかりながら死ね いつ、どんな時に、どんなところから自分の行動が選択されるかなんて、皆目見当が付かない。出会いに必然と偶然があるとすれば、私が知った情報から行動を起こし、そしてその選択の先に待ち構えていたものに出会ったのは、間違…

2018年9月1日 池袋演芸場~雷門助六 桂伸治~

あたしの長講は10分 ちょうこっとなの 待ってました!大門町 曇天の空模様の中、本日は池袋演芸場の昼夜入れ替えなしの公演に行ってきた。昼席は満席で立ち見も出るほど。昼席トリを務めたのは雷門助六師匠。演目は気の長短。トリで長短かぁーと思いつつ、目…

挑戦と異空間の創造~第九回桂伸べえ落語会~2018年8月31日

親父の持つ独特な雰囲気、 あれあたくしのほうではフラ?っていうんですが、 ふっと笑いたくなるようなおかしみね、 それは勉強してできるもんじゃないんです 仕事が早く終わる水曜日。西新宿ミュージックテイトにて『第九回 桂伸べえ落語会』に行ってきた。…

2018年 謝楽祭の楽しみ方 その3~ライブ編~2018年8月30日

多芸に秀でるものは一芸に通ずるなんて言葉にも代表されるように、落語家にも多芸に秀でた方々がたくさんいる。そんな落語家の一面を見ることが出来るのが謝楽祭の一番の醍醐味ではないだろうか。 まず11時から始まるのは『のど自慢』である。落語界の美声の…

2018年 謝楽祭の楽しみ方 その2~出店編~2018年8月28日

この時期の寄席に行けば必ず貰える『謝楽祭のパンフレット』を手に入れると、当日にどんなルートで出店を回ろうかと考えることができる。Twitterにも画像が出回っているので、気になる方はまず寄席に行って『謝楽祭のパンフレット』を貰おう。 謝楽祭では普…

開催目前! 2018年度 謝楽祭の楽しみ方 その1 ~寄席編~2018年8月23日

今年も謝楽祭の季節がやってくる。詳細はこちら 謝楽祭2018 | 一般社団法人 落語協会 落語に精通している方でも、さほど落語を知らないという方でも、一日行けば落語にどっぷり浸かれること間違いなしのお祭り。落語協会の主催で、今年は古今亭菊之丞師匠が…

殺し屋のメロディ  春風亭朝七 ~江戸標準のスーパー前座~ 2018年8月22日

落語の世界にも身分制度というものがあります。 見習い、前座、二つ目、真打、ご臨終 落語家の社会には前座というものがいる。 寄席に行くと開口一番で出てきて座布団に座り、話をするのが前座である。なぜ、最初に出てきて落語を披露するかと言うと、持ちネ…

男が惚れる男の中の男 ハードボイルド・ダンディ 柳家小満ん 2018年8月21日

樽で作った酒ってのは、知らぬ間に減っちまうんだってね。 なんでも、天使の飲み代って言うそうじゃねぇか。 粋だねぇ ダンディの基準は何だろう。缶コーヒーのBOSSのマークだろうか、ロバート・デニーロだろうか、アル・パチーノだろうか、それとも坂野? …

寄席における録音行為について 2018年8月8日

Twitterで話題になっている『落語会の録音』行為について、落語ファンとして書かずにはいられないので、書いておく。 録音技術の向上によって、誰もが簡単に録音が出来る環境になってしまった。ICレコーダーなどを持ってライブ会場に行く人間も多々いる。非…

絵本と哲学と恋愛の混沌~THE 鯉八 Worldを見Chao~2018年7月30日

今日は瀧川鯉八独演会、『ちゃお2』を見てきた。入場と同時になぜかチラシと金平糖を貰える。あくどい作戦が既に入場と同時に始まっているのだなと感じる。ざっと周囲の客層を見ると女性層が圧倒的に多い。 落語家の独演会は寄席とは異質の空間である。寄席…

浪曲、テレビ業界の衰退、そして日本の終演について 2018年7月29日

風呂に入ると気分が高まり、鼻歌を歌うことが良くある。かつて、文化放送でラジオパーソナリティを務めていたサンキュータツオは、浪曲とは「鼻歌がずっと続いている感じ」と表現した。まさしく浪曲を言い当てていると思って、私はすぐにその言葉をメモした。…

テレビを捨てて寄席に行こう 2018年7月24日

かれこれ数年になるだろうか。とんとテレビを見る機会が無くなった。そもそも家にテレビが無い。テレビなぞあっても邪魔だし、観たところでありきたりな番組しかやっておらず、面白いと思う番組は殆ど無い。つまらないとはっきり言ってしまって良いと思うく…

迫真の黒い炎~講談師 神田松之丞~2018年7月23日

忘れられない講談がある。まだ人気という大嵐がやってくる前の静かな連雀亭で、神田松之丞さんが最初に出た時のことだった。 今でこそ満員が続き、チケットが取れないという肩書きが付く松之丞さん、おそらく私はその『売れ初めの前夜』に立ち会った人間と言…

落語は誰にでもできる(?)2018年6月25日

言葉を発することが出来るのは、大人も子供も変わらない。言葉を発することが出来れば、他者との意思の疎通を図ることができる。 他者との意思の疎通を行う上で、大切なことは共通の認識を持つことである。 林檎と言われて黄色くて丸く、齧ると酸っぱいと想…

落語界の魔球 桂伸べえ 2018年6月24日

正統派と呼ばれる落語家は数多いる。が、私が思うのは「一体何が正統で、何が異端であるかというのは、観る者にしか判別できない」ということである。 同じように、芸の上手下手というのも観る者が決める。何百・何千席を見れば自ずと芸の良し悪しも分かって…

Youtubeの『集中力高める系音楽』は本当に効果があるのか。 2018年6月4日

とある長屋の倹約家、ケチ兵衛さん。隣にある日鰻屋が出来た。 ケチ兵衛さん、鰻屋から漂ってくる鰻を焼く匂いで飯を食うことにした。 すると、その話を聞いた鰻屋の旦那が「お代を貰ってこい」と使いに言い付けた。 使いがケチ兵衛さんの家にやってきた。 …

鹿児島の怪鳥 三遊亭歌之介 2018年6月2日

サム・クックやトニー・バロウズなど、魅惑的な声を持つ人は実に幸運だと思う。七色の声を持つという人間というのもいるらしい。七色も声を持っていたら、聴いているだけで退屈しない。落語家にもそういう類の声色を持った者が数人いる。 落語家には、声色や…

落語界のマッドマックス 三遊亭笑遊師匠の爆音のラフ・ロード 2018年5月29日

誰もが脚光を浴びる世の中では無いことくらい、私はとうに知っていたのだが、これほどまでに脚光を浴びない爆笑王はいないのではないだろうか。三遊亭笑遊、齢68にして気合いと大音量の声で爆笑をさらっていく落語家である。 笑いに貪欲で、とにかく大声を出…

落語の敷居は高くない 2018年5月19日

千里の道もピップから 日本の演芸は、伝統があって格式張っていて、金持ちの娯楽と思われている。 南部 虎弾みたいな眼鏡を掛けた老婦人が、着物姿でプードルを抱きながら、「愚民どもの汗が、あたくしどもの血と金になるザマス」と言っている姿を思い浮かべ…

自己紹介 2018年5月18日

私の友人の気象予報士に、「気象予報士はいつ天気を予想しているんだい?」って聞いたんだ。 そうしたら友人は「朝、起きたときだよ」と言った。 なるほど、起床(気象)ってことだ。 私は「気象予報士はどうやって天気を決めているんだい?」と聞くと、 友…